血が騒ぐ

投稿者: | 2009年5月10日

今年は自由が丘学園で物理と化学を担当させていただくことになった。

その最初の授業で、私が物理を志したきっかけを話した。

 「みんな太陽までの距離を知っている?」

 「約1億5千万km。これは光の速さで約8分かかる距離。つまり今見ている太陽は8分前の太陽だね。」

 「じゃ、北極星までの距離は?」

 「約430光年。光の速さで430年かかる距離。つまり今見ている北極星の光は430年前の光。430年前と言えば1579年。信長が安土城を完成した年だ。そのころに光った光を見ていることになる。」

 「アンドロメダ銀河というのを聞いたことがあるかな? そこまでの距離はなんと約230万光年。光の速さで230万年かかる距離。230万年前といえば旧石器時代だ。だから今見てるアンドロメダ銀河は、私たちの先祖がマンモスを食べているころに光った光だ。」

 「タイムマシンなんか無くたって、夜空を見上げれば過去の映像を見ることができるんだ。なんだか不思議な気持ちにならないかい? わくわくしないかい? その気持ちが私を物理に向かわせたんだ。」

生徒たちは目をキラキラさせながら私の話を聞いてくれていた。

 「でも、“楽しいねぇ”、“面白いねぇ”ではサイエンスにならない。」

 「そこに“なぜ?”の感覚がなければならないのだ。」

授業はその後も続いた。

予備校での物理とは少し違う。

私が求めていた授業の場を与えてもらった気分だ。

さて、この後の展開をどうしたものか...

知識を羅列するようなつまらない授業にだけはするまい。

楽しみと緊張と責任。

刺激的な一年になりそうだ。

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