毎年この季節になると聴きたくなるのがマライア・キャリーのあの名曲です。
♪ All I want for Christmas is you
そして何故か連想ゲームのようにビートルズの次の曲も思い出してしまいます。
♪ All you need is love
そこで今回のテーマは洋楽の歌詞や映画のセリフでよく見る <All S V is 〜>です。


作家マーク・トウェインの名言より
人生で必要なものは無知と自信だけ。これだけで成功は間違いない。
今回は海外ドラマや映画のセリフではなく、「トム・ソーヤの冒険」の作者で知られるマーク・トウェインの名言から引用しました。
前回の記事の最後でも引用しましたが、マーク・トウェインは心に残るたくさんの名言を残しています。
“無知”が成功の秘訣なんておもしろいですね。
マーク・トウェインはどのような意味を込めたのでしょうか?
All S V is 〜 のポイント
次の3つのポイントについて説明します。
- SがVするのは〜だけ
- 関係代名詞の省略
- is の後は原形不定詞
1. S が V するのは 〜 だけ
<All S V is 〜>を直訳すると「S が V するすべてのことは〜である。」となります。
そこから「S が V するのは 〜 だけ。」と訳します。
all は the only thing と置き換えることができます。
冒頭のマライアの歌を見てみましょう。
私がクリスマに欲しいすべてのものはあなたです。
→ 私がクリスマスに欲しいのはあなただけ。
ビートルズの歌は以下のようになります。
あなたが必要なすべてのことは愛です。
→ 君が必要なのは愛だけ。
→ 愛こそはすべて(この歌の邦題)
have to, must, can を伴った形もあります。
君は勉強を頑張ってさえいればいいんだよ。
(4) All I can do is to be with them
私にできることは彼らのそばにいることだけだ。
2. 関係代名詞の省略
(1) の骨格だけ取り出してみると次のようになります。
→ All is you. / すべてのことはあなたです。
All は「すべてのこと」という名詞でありこの文の主語です。
この All を後ろに続く <I want for Christmas> が関係代名詞節となり All を修飾しています。
省略された関係代名詞を確認してみましょう。
3. is の後は原形不定詞
b) All you have to do is take a step.
君がしなければならないことは一歩踏み出すことだ。
「一歩踏み出すこと」なので a) は不定詞の名詞的用法を使って take を to take としています。一方、b) はハダカの take が置かれています。to がついていませんがこれは原形不定詞という不定詞ですね。
ゆえに a) も b) もどちらも不定詞を用いて「一歩踏み出す」を「一歩踏み出すこと」にしています。
どちらも正しい英文ですが、b) の方がより一般的のようです。


無知でいいのか?
人生で必要なものは無知と自信だけ。これだけで成功は間違いない。
私の敬愛する浜田省吾のDANCEの一節です。
知識がお前を閉じこめようとする夜
DANCE / 浜田省吾
知識があるばかりに固定観念に囚われ、新しいことを見落としてしまう。知識に縛られる、ということもあるのかもしれません。
でも、マーク・トウェインは”無知”という言葉で、本当に「何にも知らない」ことそのものを指しているのでしょうか?
そうなのかもしれませんが、私は、
自分が無知であることを知る
→「無知だから学びたい!」
→ 学ぶ
→ ”知っている”状態になる。
ということのような気がします。つまり “無知”が学びの行動を起こす原動力になるのではないかと思うのです。その力こそが成功の鍵なのではないでしょうか。
最後にアインシュタインの言葉を引用して終わりたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
The more I learn, the more I realize I don’t know.
アルバート・アインシュタイン
The more I realize I don’t know, the more I want to learn.
学べば学ぶほど、自分がどれだけ無知であるかを思い知らされる。
自分の無知に気づけば気づくほど、よりいっそう学びたくなる。
