今回は使役動詞について考えていきたいと思います。
使役とは「誰かに何か(=役)をさせる」ことを意味します。使役を表す表現はいくつかありますが、ここでは make, have, let の使役動詞と呼ばれる3つの動詞について説明します。

なお get も使役動詞の仲間にカウントされますが、get は大変面白い基本単語なので別な記事で改めて考察してみたいと思っています。

映画「恋のからさわぎ」より

 Don’t let anyone ever make you feel like you don’t deserve what you want.

なりたい自分になる資格がないなんて、君に思わせる権利は誰にもないよ。

映画「恋のからさわぎ」(原題 10 Things I Hate About You)からの引用です。
大きな夢を抱くと「ムリムリ。現実を見なさい。」と否定する人がいます。でも無理かどうかは夢を抱いた本人が自分の経験を通して判断することです。誰か判断してもらわなくてもいいのです。

と、気取ったことを書いてしまいましたが、実際自分の娘が「アイドルになりたい。東京に行く。」と言ってきたら止めずに応援できるだろうか? 自信はありません。
しかし、娘の夢が一過性のものではなく本気であるならば、とことん一緒に可能性を探り、彼女の夢を応援できる父でありたいと思っています。でもやっぱり自信がありません。

使役動詞 make

make の基本イメージは「努力してそれを作る」です。

(1) I made lunch for my kids.
 私は子どもたちのために昼食を作った。

(2) He makes a good salary.
 彼はよい給料を稼ぐ。

(3) They made a friend of an enemy.
 彼らは敵を味方にした。

昼食を作るにも、よい給料を稼ぐにも、敵を味方にするにも何らかの努力が必要ですね。

使役動詞は全て次の形で使います。

主語 + 使役動詞 + 人 / 物 + やらせる事柄

「努力してそれを作る」という基本イメージから使役動詞としてのmakeには強制力を感じます。嫌がる相手に無理やりやらせるようなニュアンスも含みます。

make の場合、「やらせる事柄」の部分に動詞の原形(原形不定詞)を置きます。

 (1) Mr. Yamagishi made us do a lot of homework.
 山岸先生は私たちにたくさんの宿題をさせました。

(2) Dad made me go there.
 父は私をそこに行かせました。

使役動詞 have

have の基本イメージは「主語の圏内にそれがある」です。

(1) I have a red car.
 私は赤い車を持っている。 

(2) He has blue eyes.
 彼は彼は青い目をしている。

(3) In Sapporo, we have much snow in January.
 札幌では1月にたくさん雪が降る。

(4) I have a sore throat.
 喉が痛い。

(5) Let’s have lunch in the park.
 公園でお昼を食べよう。

いずれも「主語の圏内にそれがある。」というイメージを感じられますでしょうか?
(1)の”それ“は赤い車。(2)は身体的特徴である青い目。(3)は雪。(4)は病気の症状である喉の痛み。(5)は食べることにより自分の中に取り込まれます。

「自分の圏内にそれがある」という基本イメージから、使役動詞としての have は makeと違い強制力を必要としません。 “してもらう” 状況を自然に、あるいは当然のこととして手にする、自分の圏内にある、という感じです。例えば床屋さんで髪を切ってもらう場合、強制しなくてもお金を払えば当然のこととして床屋さんは髪を切ってくれます。”髪を切ってもらう”という状況を当然のこととして手にすることができます。

have の場合、「やらせる事柄」の部分に動詞の原形、現在分詞、過去分詞のいずれかを置きます。

(1) I had him make some coffee.
 私は彼にコーヒーを入れてもらった。

(2)  The coach had him running on the beach.
 コーチは彼を浜辺で走らせていた。

(3) I had my hair cut yesterday.
 昨日髪を切った。

使役動詞 let

let の基本イメージは「それをすることを許す」です。誰かが何かをするのを妨げず、ただ許します。

let の場合、やらせる事柄」の部分に動詞の原形を置きます。

(1) Please let me know your schedule as soon as possible.
 スケジュールをできるだけ早く教えてください。

(2) My parents won’t let me go to the party.
 私の両親はパーティーに行かせてくれない。

(1) の直訳は「できるだけ早く私があなたのスケジュールを知ることを許してください。」となります。(2) は否定文なので不許可「許さない」という意味の文になります。

セリフの解説

引用したセリフをもう一度見てみましょう。

 Don’t let anyone ever make you feel like you don’t deserve what you want.

なりたい自分になる資格がないなんて、君に思わせる権利は誰にもないよ。

使役動詞が2個あったり、make が「やらせたい事柄」の役割と「使役動詞」の役割の2役を担っていたり、幾重にも入れ子になっていたりと、なかなか面白いですね!

ベタに直訳すると、

誰にもあなたがあなたはあなたの望むことに値しないとあなたが思うようにさせることを決して許すな。

訳がわかりません。ぼうずがびょうぶにじょうずにぼうずのえをかいた、的な…

ちなみに ever は意味を強めるために置かれています。

試しに図解してみますが、参考程度に。

たとえば、あなたが誰かに夢を語ります。

 「僕、卒業したら大道芸をしながら世界を回るんだ。」

その誰かは言います。

「はぁ?無理無理。バラエティ番組じゃあるまいし。」

そしてあなたは思います。

 「だよな。そんな気がしてたんだよ…。」

でも…その誰かはやったことがないのになぜ無理だとわかるのでしょうか?

一般論? 常識?

ふん!

締めくくりは、今回のテーマである使役動詞を含む作家マーク・トウェインの名言です。

最後までお読みくださりありがとうございました。

 Keep away from people who try to belittle your ambitions. Small people always do that, but the really great make you feel that you, too, can become great.

あなたの大きな夢を萎えさせるような人間には近づくな。たいしたことない人間ほど人の夢にケチをつけたがるものだ。真に器量の大きな人間は自分にも成功できると思わせてくれる。

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