今回はイギリスの思想家でフェミニズムの先駆者として歴史に名を残すメアリ・ウルストンクラフトの言葉を引用します。彼女は小説「フランケンシュタイン」で知られるメアリ・シェリーの母親でもあります。

It is justice, not charity, that is wanting in the world.
世界に足りないのは慈善ではなく正義である。

著書「女性の権利の擁護」の中で女性の人権を強く主張した彼女にとって “正義” とは性別によらず人は誰でも平等な権利を持つということだったのではないでしょうか。

強調

例えば次の3つの文を読み比べてください。

(1) 僕はカツカレーが好きです。
(2) 僕はカツカレーが本当に好きなんです。
(3) 僕が好きなのはカツカレーです。

いずれも僕がカツカレーを好きなことを述べていますが、それぞれ受ける印象が違います。
(1) が普通の文で、(2)と(3)が “好き度合い” を強調しています。
これらを英語で表現してみます。

(1) I like pork cutlet curry.
(2) I do like pork cutlet curry.
(3) It is pork cutlet curry that I like.

(2) は助動詞doを用いて内容が事実であることを強調しています。
(3) が今回のテーマである【強調構文It is 〜 that】を用いた強調です。

英語ではこの他に強調語句にる強調や倒置による強調などがあります。

【強調構文 It is 〜 that】の作り方

作り方は簡単です。強調したい語句を前に出し It is 〜 that で挟めばいいのです。あとはいじらない。例文で確認してみましょう。

▶︎ Taro saw Shogo Hamada at the station yesterday.
(太郎は昨日駅で浜田省吾を見かけました。)

(1) Taro(名詞) を強調
It was Taro that saw Shogo Hamada at the station yesterday.
(昨日駅で浜田省吾を見かけたのは太郎だった。)

(2) Shogo Hamada(名詞) を強調
It was Shogo Hamada that Taro saw at the station yesterday.
(太郎が昨日駅で見かけたのは浜田省吾だった。)

(3) at the station(副詞句) を強調
It was at the station that Taro saw Shogo Hamada yesterday.
(太郎が昨日浜田省吾を見かけたのはだった。)

(4) yesterday(副詞) を強調
It was yesterday that Taro saw Shogo Hamada at the station.
(太郎が駅で浜田省吾を見かけたのは昨日だった。)

(1) 、(2) のように強調する語がの場合、that の代わりに who を用いることもできます。

(1)’ It was Taro who saw Shogo Hamada at the station yesterday.
(3)’ It was Shogo Hamada who Taro saw at the station yesterday.

形式主語構文との見分け方

形式主語構文

強調構文に似た形を持つ構文の一つに形式主語構文があります。

It is obvious that she doesn’t like him.
(彼女が彼のことを好きではないのは明らかだ。)

It is a pity that you are not here.
(君がここにいないのは残念だ。)

この構文は、まず話題の核心部分をパァーンと言ってしまいます。その後を説明部分が追いかけます。

「明らかなんだよ。」とまず言ってしまってから「彼女が彼を好きではないのは」と説明します。

「残念なんだよ。」とまず言ってしまってから「君がここにいないのはね」と説明します。

本来の主語は that 以下であり、it はその内容を受けているだけなので形式主語と呼ばれます。

区別の方法

さて、この2つの構文の特徴をまとめると見分け方がわかります。

It is (A) that …(A) に置く語句that以下の文It is 〜 that をはずす
強調構文名詞、副詞(句)(A)が名詞なら不完全な文
(A)が副詞なら完全な文
文が不成立
形式主語構文名詞、形容詞完全な文文が成立

▶︎ It is 〜 that の間に形容詞あるいは副詞が置かれた場合はすぐに判別できます。

 副詞(句) → 強調構文
 形容詞 → 形式主語構文

▶︎ It is 〜 that の間に名詞が置かれた場合はthatに続く文で判断します。

 that以下が不完全な文 → 強調構文
 that以下が完全な文  → 名詞構文

▶︎ It is 〜 that を文から取り除いて判断することのできます。

 文が成立  → 強調構文
 文が不成立 → 形式主語構文

例文で確認

例文で上記の判別方法を確認してみます。

(1) It was yesterday that Taro saw Shogo Hamada at the station.
(太郎が駅で浜田省吾を見かけたのは昨日だった。)
副詞なので強調構文

(2) It is obvious that she doesn’t like him.
(彼女が彼を好きではないのは明らかだ。)
形容詞なので形式主語構文

(3) It was Taro that saw Shogo Hamada at the station yesterday.
(昨日駅で浜田省吾を見かけたのは太郎だった。)
名詞であり主語が欠損した不完全な文なので強調構文

(4) It is a pity that you are not here.
(君がここにいなくて残念だ。)
名詞であり完全な文なので形式主語構文

全ての文から It is 〜 that をはずしてみます。

(1) yesterday Taro saw Shogo Hamada at the station.
→ 成立しているので強調構文

 

(2) obvious she doesn’t like him.
→ 成立していないので形式守護構文

(3) Taro saw Shogo Hamada at the station yesterday.
→ 成立しているので強調構文

(4) a pity you are not here.
→ 成立していないので形式主語構文

名言の中の【強調構文 It is 〜 that】

改めて今回の名言を見てみます。

It is justice, not charity, that is wanting in the world.
世界に足りないのは慈善ではなく正義である。

It is 〜 that の間に置かれている語は名詞 justice と charity なので、これだけでは強調構文なのか形式主語構文なのか区別することができません。
そこで that 以下の文を見てみると、動詞 is の主語が欠落しています。したがって強調構文であることがわかります。
念のため It is 〜 that をはずしてみます。

Justice, not charity, is wanting in the world.

文は成立しているので、やはり強調構文です。

最後に米国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの名言を引用して終わりにしたいと思います。
最後までお読みくださりありがとうございました。

Those who deny freedom to others deserve it not for themselves.
(他人の自由を否定する者は、自らも自由になる資格はない。)

エイブラハム・リンカーン
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