この数年、学生の頃に比べると読書量が半分以下になっていました。
大きな理由の一つが老眼。
とにかく字を読むのが億劫なんです。
でも、子どもたちの学びに関わる人間がこれではいかん。
ということで、読書量を増やすために2つのツールを導入しました。
1つはオーディオブック。
これは例えばウォーキング、筋トレ、家事などをやりながら聞くことができます。
特にウォーキングしながらの「聴き読」は私にとって至福の時間です。
骨伝導のヘッドフォンで「聴き読」をしながら歩いているとあっという間に5キロ、6キロは歩いてしまいます。
こんな素晴らしいものをなぜもっと早く利用しなかったのかと後悔しています。
ただ、困ったことに「え?そうなの?」とか「そうそう」などと独り言が出てしまい、すれ違う人に不審がられることがあります。
深夜に全身真っ黒のウェア、黒のマスクの男がブツブツ言いながら歩いていれば、気持ち悪いですから。
もう1つは電子書籍。
「本は紙の本じゃなきゃ」とこだわり、ずっと敬遠していた電子書籍でしたが、使ってみるともう手放せません。
指先で簡単に線引ができ、読後、その部分のまとめを見ることもできます。
さらにスマホを使えばいつでもどこでもお手軽に読書が可能です。
これら2つのツールと紙の本の3つで1日1冊以上の読書が可能になりました。
平成30年の文化庁の調査によると、16歳以上の約半数が1冊も本を読まないと回答しています。

1日30分程度の読書時間で週に2冊程度、月に8冊程度は読めるのではないでしょうか。
そうすれば上位3%に入りますね。
人は日々自分の経験を通して学んでいます。
万象是師という言葉があるように、人はその気になれば自分に関わる全てのことから学ぶことができます。
しかし、一人の人間が一生の内に経験できることには限りがあります。
一人の人間は一つの時点、一つの空間にしか存在できません。
ゆえに学びにも限界があります。
でも読書することで経験は無限に広がります。
本を読めば時間と空間を超え、著者の経験をその場にいながら追体験することができます。
また、著者が何年もかけてたどり着いた知のエッセンスを数時間で知ることができます。
読めば読むほど頭の中の世界は広がっていきます。
読書は人生を豊かにし、チャンスも広げてくれます。
私は読書を宿題として生徒に課します。
読書習慣がない生徒には読みやすいものから始めます。
読書習慣がある生徒には彼らが普段自分では選ばないような本を指定します。
私が子どもたちの学びに関わり始めた20代の頃に比べ、子どもたちの忍耐力と日本語能力が明らかに低下しています。
世の中便利になればなるほど、あらゆるものが素早くお手軽に手に入ります。
それはそれで生活の質は向上するのですが、子どもたちから集中力と忍耐強さを奪います。
また、私がここで語るまでもないことですが、ショートなメッセージのやり取りがコミュニケーションの中心である子どもたちには「言葉を練る」機会が全くありません。
読書は「学び」のツールであると同時に、集中力の不足、忍耐力の不足、言葉を練る機会の不足を補うツールになりうる、と私は信じています。
本を読みましょう。
1日10分でも新書なら10日程度で読めると思います。
それで1か月に3冊です。
Let’s 読書。