中庸とは、極端ではない、偏らない、過不足がない、そんな状態を意味する言葉である。
東洋思想の大御所である孔子、西洋思想の大御所であるアリストテレス、それぞれが説いている。
人間の生き方としては最高の生き方のようだ。
心と体の健康のためにも間違いなく中庸がいい。
しかし、それは無理というもの。
偏ったものの方が刺激的だし、人間は刺激を好む生き物ではないだろうか。
暑い夏にはキンキンに冷えた飲み物がいい。
福山雅治がビールをごくごく飲んで、
「クァ〜!やっぱりビールは人肌!」
とかやっても絶対売れないだろう。
だから私は「メトロノーム的中庸」でよいのではないかと思っている。
メトロノームは左右均等にカチカチ触れる。
結果、プラスマイナス0だ。
平均してみれば真ん中だ。
これは、冷たいビールの後で沸いたビールを飲めという意味ではない。
まずくて飲めたものではない。
たとえどちらかに偏っても、戻って来ればいい。
常に中庸であり続けることなんてできない。
必ずどちらかに振れてしまう。
でもそのことにバツをつけるのではなく、
偏りに気づいて真ん中に戻せばいい。
先日書いた「陰極まれば陽に転ず」だ。
そう考えた方が心穏やかでいられる。
今日も安心して冷たいビールが飲めるというものだ。