問題文の指示と違う答え方をして間違えてしまう。
「適さないものを選びなさい。」という問いに、適するものを選んでしまう。
「書き抜きなさい。」という問いに、自分の言葉で書いてしまう。
「2つ選びないさ。」という問いに、1つだけしか選ばない。
「化学式で答えなさい。」という問いに、物質名を書いてしまう。
例を挙げていけばキリがない。
このようなことが起こる原因は様々あり、アドバイスも様々ある。
「問題をよく読みなさい。」がもっとも多いアドバイス。
でも、これほど虚しいアドバイスはない。
なぜなら彼らは問題を読んでいるから。
読まずに解き始める豪気な生徒はそうそういない。
問題は読んではいるけど上滑りして脳に届いていないことだ。
私は生徒たちに、
「いま、ここ」に意識を向けること
と伝えることが多い。
前と後を断ち切って、いま目の前にあることだけにフォーカスする。
問題を読みながら解く作業に入らない。
問題を読みながら時間を気にしない。
問題を読みながら次の問題を気にしない。
など。
いま目にしているものにしっかりと意識を向け頭に届ける。
言うは易し。つまらなくてありふれたアドバイスかもしれない。
でもこれがなかなか難しい。
ひとつのことにじっくり腰を据えて向き合うことが難しい時代。
モノの量と更新のスピードに脳がヘトヘトだ。
どれにする?どれがいい?これもあるよ。あれもあるよ。
と、毎日急かされては落ち着いて考える暇もない。
だから、せめて学んでいるときくらいは
いま目の前のことだけに意識を向けじっくり味わいたい。
「目の前の問題に意識を向けよう」と意識する。
急くと呼吸が止まったり浅くなったりするので、ゆったりと息を吐く。
線を引いたり印をつけたりして視覚化する。
これだけで冒頭のようなミスは減るはず。
試して効果があったら、感想をお聞かせください。