A whale is no more a fish than a horse is.
/ 馬が魚でないのと同様に、クジラも魚ではない。/

これは「クジラの公式」という名で知られる構文ですね。

高1の頃、私が密かに”英語マニア”と呼んでいた友人にこれを教えてもらったとき、

その友人に対しても、

ワケのわからないクジラに対しても

「すげ〜っ!」とビビったことを覚えています。

今回は映画「スター・ウォーズ」のセリフから引用します。

運命は変えられないの。夕日が沈むのを止められないように。

But you can’t stop the change, any more than you can stop the suns from setting.
/ 運命は変えられないの。夕日が沈むのを止められないように。(スターウォーズ より) /

これは別れを嫌がる息子に対して母が言った言葉です。

“change” に “the” がついているので「いま正にここで起ろうとしている変化」を指しています。

直訳すれば「変化は止められない」ですが、このシーンでは「運命は変えられない」という訳の方がピッタリですね。

でも運命が決まっていて未来が自分の意思で変えられないとするならば、ちょっと嫌ですね。

クジラの公式<no more 〜 than …>

クジラの公式の文法的な仕組みは論文になるくらい手強いようです。

ここでは文法的精密さは横に置いて、シンプルに説明してみます。

クジラの公式を3ステップで理解する

改めてクジラの公式の例文です。

以下、この例文を「クジラ文」と呼ぶことにします。

A whale is no more a fish than a horse is.
/ 馬が魚でないのと同様に、クジラも魚ではない。/

クジラ文の後半に省略されている部分をあえて書き加えてみます。

A whale is no more a fish than a horse is a fish.

ステップ1 ”no” は強い否定

“not” よりも “no” で表現する方が強い否定となります。

I don’t have money.
I have no money.

どちらも同じ「お金がない。」ことを言っていますが、”no”を使った表現の方が「全然ない」感があるようです。

この強い否定の “no” を比較級に用いると、比較している二つの事柄の「差」をゼロにします。

したがって比較している二つの事柄がイコールであるということになります。

ステップ2 2つの事柄の真実性を比較し否定する

クジラ文で比較しているのは、

A whale is a fish. / クジラは魚だ。
A horse is a fish. / 馬は魚だ。

の二つです。

ゆえに、

クジラが魚であるということが馬が魚であるということよりもっと真実であるなんて絶対ない。」

不自然な日本語ですが、かろうじて意味はわかりますね。

ステップ3 ナチュラルな日本語にする

クジラの公式で than 以下は誰が聞いても「それはちがう」と思える事柄(B)を置きます。

そのおかしな事柄をベースにして話題の中心であるthanより前の事柄(A)を見るのです。

馬が魚なんておかしいでしょ? クジラが魚だなんてそれと同じくらいおかしいよ。」

のように考えることができるのではないでしょうか。

これで十分ですが、和訳問題の答えとしては少々難があるので、意訳します。

「馬が魚ではないのと同様に、クジラも魚ではない。」

クジラの公式を使った例文

Even the brightest of chimpanzees can no more speak than they can fly.(NextStageより)

もっとも賢いチンパンジーだったとしても飛ぶことができるなんて無理でしょ? 彼らが話せるなんてそれと同じくらい無理だよ。

どんなに賢いチンパンジーであっても飛ぶことができないのと同様に、彼らは話すことができない。

Sleeping too much is no more healthy than eating too much.(Forest より)

食べ過ぎが健康いいなんてことはないでしょ? 寝過ぎもそれと同じくらい健康によくないよ。

寝過ぎは食べ過ぎと同様に、健康によくない。

A home without love is no more a home than a body without a soul is a man.(ロイヤル英文法 より)

魂のない体が人間であるというのは変でしょ? 愛のない家庭を家庭というのはそれと同じくらい変だよ。

魂のない体が人間でないのと同様に、愛のない家庭は家庭ではない。

いっしょに覚えたい<no less 〜 than …>

クジラの公式を理解した今となっては <no less 〜 than …>を理解することは容易です。

違う点は、

(1) “more”(より上) が”less”(より下) になっている。
(2) than以下は基本的には誰が聞いても「その通り」と思える事柄を置く。

の2点です。

次の例文で考えてみましょう。

Making good friends is no less important than making money.

(事柄A)Making good friends is important. / 良い友達を作ることは大切だ。
(事柄B)Making money is important. / お金を稼ぐことは大切だ。

A であることは B であることより劣る、なんて絶対にない。

→ B であることは間違いないでしょ? A であることはそれと同じくらい間違いのないことだよ。

→ お金を稼ぐことは重要でしょ? よい友達を作ることはそれと同じくらい重要だよ。

お金を稼ぐことが大切なことであるのと同様に、よい友達を作ることは大切なことである。

運命、未来は白紙であってほしい

But you can’t stop the change, any more than you can stop the suns from setting.
/ 運命は変えられないの。夕日が沈むのを止められないように。(スターウォーズ より)/

今回のセリフで使われている表現は<not 〜 any more than …>で、

クジラの公式と同意表現です。

私が子どもだったら「運命は変えられないの」なんて母から聞かされたら

その後の人生を投げやりに生きてしまいそうです。

そんな残念な気持ちを救ってくれる名セリフを最後にご紹介して、終わりたいと思います。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

It means your future hasn’t been written yet. No one’s has. Your future is whatever you make it. So make it a good one, both of you.

君らの未来はまだ白紙だってことだよ。みんなそうさ。君らの未来は君らで作り上げる。だから2人で良いものにするんだ。

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3

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