先日、久しぶりに宮本輝の作品を読んだ。
タイトルは「骸骨ビルの庭」。
日曜版朝日新聞の書評欄で見かけたので気になってすぐに書店へ。
大好きな宮本作品だったが、しばらく遠ざかっていた。
いつもは予算の関係で文庫本か新書にしか手を出さないから
単行本を買うのも久しぶり。
手にのせた単行本の重さを味わいつつ、少し興奮気味に表紙を開いた。
あっという間に宮本文学の世界に引き込まれていった。
以下、本の帯から。
住人たちを立ち退かせるため、八木沢省三郎は管理人として
骸骨ビルに着任する。そこは、戦後、2人の青年が子供たちを
育てた場所だった。食料にも事欠き、庭で野菜を作りながら、
彼らは命を賭して子供たちと生きた。成人してもなおビルに
住み続けるかつての子供たちと、老いた育ての親。それぞれの
人生の軌跡と断ち切れぬ絆が、八木沢の心を動かす。
「人は何のために生きるのか?」という問いに対して、
私はいまだ明確な答えを持たない。
教育に携わる身としては「利他の精神で」といきたいが、
自分に出来ないことを生徒たちには押付けるわけにはいかない。
頭はナチュラル僧侶に近づいているが、
中身はまだまだ世俗にまみれている。
「脱・自分!自分!」を目指したい。