映画「ペイ・フォワード」をご存知ですか?
ハーレイ・ジョエル・オスメント扮する11歳のトレバー少年は、社会の先生の「もし世界を変えたいと思ったら、君たちは何をする?」という問いかけに、あるアイディアを思いつきます。
それは,自分が受けた厚意をその相手に返すのではなく、自分の周りにいる別の誰かに返すというもの。「Pay It Forward」です。
最近私は、もう二度と立ち直れないのではないかと思うほどの悲しい経験をしました。自分はもう正気を取り戻せないのではないかと思いました。このまま頭がおかしくなってしまうのではないかと。
悲しい気持ちが消え去ったわけではありません。しかし、いまでは以前と同じくらい大きな声で笑うことができるようになりました。生徒が顔をしかめる元祖”オヤジギャグ”を飛ばせるようにもなりました。
すべては私の周りの方々からいただいた暖かい心のおかげです。みなさんから掛けていただいた暖かい言葉でどれだけ救われたことか。
それはとてもお返しできないほど大きなものでした。
数日前、私の頭の中に「ペイ・フォワード」という言葉がふっと浮かびました。それは車一台分しか走れない雪道を譲ったり譲ってもらったりしながら車を運転しているときでした。
「そうか。『ペイ・フォワード』か!」
そう思ったとき、何だか不思議な気持ちになりました。嬉しくて、穏やかで、優しい気持ち。急に世界中の人とつながったような気分でした。
きっとこの気持ちが,今回の悲しい経験の中で,誰かが私に贈ってくれた贈り物なんだと思います。