出会えば必ず分かれる日が来る。
今日、およそ5年お付き合いさせていただいた生徒さんとの最後の授業があった。
朝から「どんな言葉をかけよう?」と、そればかり考えていた。
でも結局、考えていた言葉は伝えられなかった。
彼女は本当に素敵な生徒だった。
口はタメ口、宿題はしない、進路は定まらない...
でも根っこはとてもマジメで繊細。
そしてとにかく優しい。
友だち思いで、文句を言いながらも男女を問わず親身に相談に乗る。
そんな生徒だった。
悩みに悩んだ末、日本の外に興味がある彼女には、
兼高かおるさんの「わたくしが旅から学んだこと」を贈った。
慎重になりすぎて足元ばかりを見ず、
顔を上げて、もっと遠くを見て欲しいと思ったのだ。
帰り際にご挨拶をするつもりが、
胸がいっぱいで言葉が出ず、
ひたすら頭を下げて「ありがとうございました」を繰り返していた。
いい年をして、本当に恥ずかしい限りだ。
いつの日か成長した彼女に再会し、
またバカ話をしながら一緒に笑いたいものだ。