息子が先週の木曜日から入院している。
冬の講習で朝から深夜まで時間の空かない私は、
昨日の夜、久しぶりに息子に会った。
そして今日は外出許可が出たため、
ファクトリーの仮面ライダーイベントに2人で行ってきた。
イベントの内容はお粗末限りなし。最悪だった。
これで金をとってはいけない。
スタッフの態度も最悪。
当然だが、通常ならとっくに切れて説教しているところだ。
しかし今日は...
そんな最悪のイベントでも息子にとっては久しぶりの外の空気。
とても生き生きしている彼の表情を見ていると私の怒りも沈静化。
イベント後は、ファクトリーの中を散策。
とくに遊具があるわけでもない。
小学3年生がウィンドーショッピングしたって楽しくないだろうに。
...でも楽しそうだ。
ひとしきり周り、クレープを食べ、ガムシロップたっぷりのカフェラテを飲み、
タイムリミットの5時半に病院へ戻った。
そこでカミさんと娘に合流。
カミさんの作った弁当と、息子の病院食で久しぶりに4人のディナー。
誰よりも家族が大好きで、家族を大切にしている息子。
病室での一人(もちろん他の患者さんもおられるが)の夜は、
誰よりも堪えることだろう。
そしてそれは私たちも同じだ。
けっこう堪える。
いま、病院から帰ってきてすぐにこれを書いている。
書いている最中に、隣の部屋から娘の泣き声が聞こえてきた。
「おにいちゃんにあいたい。」
いつもケンカばかりしている娘だが、
彼女にとっても大切なお兄ちゃんなのだ。
今日、楽しかった分、私たちが帰ったあとは寂しいのではないだろうか。
息子は、先ほどのイベントで買った仮面ライダーのタオルを首に巻いて
エレベータまで見送ってくれた。
ドアが閉まる瞬間、隙間から見える息子は笑顔で手を振っていた。
「ムリしやがって。」
そう心でいいながら、私も笑顔で手を振っていた。