空っぽ。でも、だから、なんでも入れられるんだぜ!
毎晩、睡眠欲を取るか読書欲を取るか、葛藤しながら床に就く。
昨夜もそうだった。
頭に浮かんでいる映像は夢なのか、それとも本のストーリーなのか...
そんな茫漠とした意識が、ある件で一気に現実の世界に引きずり戻された。
“青年”が喫茶店でクラッシクを聞きながら、内省的にいろいろなことを考えている。
“青年”は、何も考えずにただ生きているだけでよかった子どもの頃のことを思い出す。
そして、
生きれば生きるほど俺は中身を失っていって、
ただの空っぽな人間になっていったみたいだ。
そしてこの先さらに生きれば生きるほど、
俺はますます空っぽで無価値な人間になっていくのかもしれない。
(『海辺のカフカ』 村上春樹)
と考える。
苦しかった30代の私の思いそのままだ。
いまも尚、かさぶたにはなっているが、ひと掻きすれば血を吹き出す傷口。
だから、自信を失い「小さいころはよかった。いはの自分は...」
なんていう生徒を見るとたまらなく胸が痛む。
でも特効薬のような、即効性のある言葉は持ち合わせていない。
いろいろ言ってみるが、結局は一緒に悩むだけ。
いつもと同じだ。
ごめん。
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