強いことばには物理的な質量を感じる。
私に向けて発せられたそのことばは、
私の右のこめかみに当り、
いまでもそこがズキズキしている。
これがことばの力なんだ。
近ごろ、私はすぐに声がかれれる。
喉に力を入れ、つぶし、声が出るのを妨げているからだ。
頭では相手にことばを届けようとしているのだが、
からだが拒否している。
丸ごとひとつのはずの、こころとからだが分離している。
こんなからだから発せられることばでは相手は動かないのも当然だ。
私に向けられたあのことばの強さを
私も取り戻したい。