こんにちは。ポプラ工房の山岸です。
「宇宙には上も下も右も左も前も後ろもないよ。」
先日、5歳の息子と宇宙の話をしている最中に私が言った言葉です。
それを聞いて彼はしばらく考え込みました。頭の中で彼なりの宇宙を想像しながら思いを巡らせているようでした。
しばらくすると、不安そうな顔で私を見て「だって上は上で下は下でしょ?」と言うのです。
その様子を見て、なんだか私も不安な気持ちになりました。つかまるところのない、より所のない、何もない空間に放り出された自分を想像して。
ギュッ、ガチッ、ドンッ...なんと表現すればいいのか、最後に小さな「ッ」がつくような感じのものが欲しい。そんな気分でした。
生き物には巣穴があり、木はその根でしっかり大地をつかんでいる。
人にも何か、確かなつかまり所(?)が必要ではないでしょうか。
「上手くいかなくても、失敗しても、みんなにソッポ向かれても、私はいつもここにいるよ。いつでも帰ってきていいよ。」
幼かった私が欲しかったのは、そんな言葉だったように思います。
そんな人、そんな場所があれば子どもたちは精一杯、伸び伸びと生きることができるのではないでしょうか。
長男にはそろそろ”子育て終了”を宣言しようと考えています。
しかし、どんなに遠く離れても(物理的にも精神的にも)、私の言葉が届かなくても、確かに見える灯台のようなオヤジでありたいと願っています。