海外ドラマや映画の名セリフで英語を楽しく学ぼう!という趣旨で書きました。
会話の中でタイミングよく英語のセリフを引用できるとカッコいいですね。
今回は<so that>を含んだ名セリフを取り上げました。
<目次>
どんなに酸っぱいレモンでも、レモネードを作ることはできる。
海外ドラマ「THIS IS US 」 からの引用です。
出産時に3つ子の一人を亡くし悲しみに打ちひしがれる父親に、
医師がかけた言葉です。
直訳すれば、
レモネードのような何かを作ることができないほど、酸っぱいレモンはない。
つまり、
という意味です。
人間、生きていれば辛い経験の1つや2つありますね。
でもその困難を乗り越えたり受け止めたりしながら
なんとか生き抜くことができれば、
その先に何か素敵なことが待っているのかもしれません。
前より強くなった自分が見る世界は、それまでとは違って見えるかもしれません。
世界が違って見えれば、それまでとは違った行動を取ることができるかもしれません。
違った行動を取ることができれば、それまでとは違った何かを手にすることができるかもしれません。
それはきっとレモネードのように甘く爽やかなものにちがいありません。


<so〜that…>と<〜so that…>と<〜, so that …>
1. 離れた<so〜that… >
程度や結果を表す
離れた<so〜that… >は「…するほど〜である」と程度を表したり、「とても〜なので…」と結果を表したりします。<〜>の部分には形容詞か副詞を置きます。
“程度”として訳すか”結果”として訳すかは文脈、あるいは違和感のない方で訳します。
(程度)車のボンネットで卵焼きが作れるくらい暑かった。
(結果)とても暑かったので車のボンネットで卵焼きを作ることができた。
He was so upset that he could not tell fact from fiction.
(程度)彼は事実と虚構の区別がつかないくらい取り乱していた。
(結果)彼はとても取り乱していたので事実と虚構の区別がつかなかった。
様態を表す
さらに、〜の部分に過去分詞を置くと「…のように〜されている」と様態を表します。
この文は誤解を与えるように書かれている。
試しに上の例文を程度や結果で訳してみると非常に違和感のある日本語になります。
(結果)この本はとても書かれているので誤解を与える。
離れた<so〜that…>の書き換え
目的、結果を表す<so〜that… >は不定詞を用いて以下のように書き換えることができます。
= He is so kind as to help me all the time.
= He is kind enough to help me all the time.
(彼はとても親切なのでいつも私を手伝ってくれる。)
that以下が否定文の場合は<too〜to…>を使って書き換えることができます。
= She was too tired to walk any further.
(彼女はとても疲れていたのでそれ以上歩くことができなかった。)
2. くっついた<so that…>は目的
くっついている<so that…> は「…するように、…するために」という目的を表します。
< … >の部分に can, will, may などの助動詞を伴うことが特徴です。
試験に合格するために、君は一生懸命勉強すべきだ。
that を省略し<so…>とすると、くだけた表現になります。
なお so を省略し<that…>とすることもあるが、文語的です。
あなたに連絡するために、Eメールアドレスを教えてください。
くっついた<so that…>の書き換え
<so that…>をそのまま<in order that…>に置き換えると、硬い表現になります。
試験に合格するために、君は一生懸命勉強すべきだ。
不定詞を用いると次のように書き換えられます。
= I moved to Sapporo in order to see you whenever I liked.
= I moved to Sapporo so as to see you whenever I liked.
(会いたいときにいつでも君に会えるように、僕は札幌に引っ越した。)
3. カンマ付<,so that>は結果
くっついた<so that…>の前にカンマが付いた<〜, so that…>は結果を表します。
昨日遅くまで起きていたので、寝坊して始発を逃した。
口語では that を省略することもあります。


まとめ
(1) 程度「...するほど〜である」
It was so hot that you could fry an egg on the hood of a car.
車のボンネットで卵焼きが作れるくらい暑かった。
(2) 結果「とても〜なので…」
He was so upset that he could not tell fact from fiction.
彼はとても取り乱していたので事実と虚構の区別がつかなかった。
(3) 様態「…のように〜されている」(…は過去分詞)
This sentence is so written that it gives us a misunderstanding.
この文は誤解を与えるように書かれている。
2. くっついた<so that…> 目的「…するように、…するために」
You should study hard so that you can pass the examination.
試験に合格するために、君は一生懸命勉強すべきだ。
3. カンマ付<〜, so that…> 結果「〜その結果…」
I stayed up late last night, so that I overslept and missed the first train.
昨日遅くまで起きていたので、寝坊して始発を逃した。
今回の名セリフは「程度の<so〜that…>」でした。
今回のセリフの<so that>は、「レモネードを作れないほど酸っぱいレモン」と直訳されるので程度を表す離れた<so〜that…>でした。
英語圏ではレモンを「欠陥品」や「役立たず」などの悪い意味で使うことがあるようです。
今回のセリフでは人生が差し出してくる困難を酸っぱいレモンと表現しています。
私たちにとってレモンは、確かに酸っぱい果実ではあるけれど
むしろ「爽やか」や「青春」といったポジティブなイメージなのではないでしょうか。
最後にもう一つレモンを使った格言をご紹介します。
人生があなたにレモンを与えるなら、それでレモネードを作りなさい。
「道は開ける」/ デール・カーネギー
