今回はスティーブ・ジョブズの名言を引用します。

 If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?
もし今日が私の人生最後の日だとしたら、私は今日やろうとしていることをやりたいだろうか

波瀾万丈の人生を生きたジョブズが鏡に映る自分の姿を見ながら毎日問い続けたそうです。
何かを成し遂げた偉人たちは口を揃えて「今日が最後の日」と言いますね。凡人の私は朝「今日が最後の日だと思って1日過ごそう」と誓っても、お昼を過ぎる頃には忘れてしまいます。

基本的な仮定法

仮定法の「法」とは?

高校生の頃の私は、仮定法の「法」は方法の「法」だと漠然と考えていました。仮定する方法、で仮定法。しかしそうではありません。
では仮定法の「法」とは一体なんなのでしょう。英文法書の最高峰(と私が思っている)ロイヤル英文法から引用してみます。

 あることを事実として述べるか、命令として述べるか、仮定として述べるかを表すときの動詞の形をという。法には直接法・命令法・仮定法の3つがある。

英語で「法」は mood。話し手が自分の言おうとしている内容に対してどう思っているか、すなわち話し手の気分を表するための動詞の形、それが「法」なのです。話し手が真実だと思っていれば直接法、仮定のことだと思っていれば仮定法で表現します。

過去形の「距離を取る」というイメージ

現在の立ち位置から過去の一点を眺めて語るのが、お馴染みの過去形です。

・I went see a movie with my daughter yesterday.
(私は昨日娘と一緒に映画を見に行った。)

これは言ってみれば現在と時間的な距離を取るための表現ですが、過去形は時間的な距離以外の距離も取ることができます。

(1) Could you tell me how to get to the station?
(駅への行き方を教えていただけませんか。)

(2) I might go to the US next month.
(ひょっとしたら来月アメリカに行くかもしれません。)

(3) I would like to go with you.
(あなたと一緒に行きたい。)

(1) は相手と自分との立ち位置の距離を取ることで丁寧さを表現しています。
(2) は可能性との距離を取ることで may よりも不確定度合いが強くなっています。
(3) は自分の直接的な感情表現と距離を取ることで生々しさを和らげています。

以下で説明する仮定法も過去形を用いて「距離を取る」表現の一つです。
では、何と距離を取るのでしょうか?

仮定法が距離を取っているもの

・If I had more courage, I would propose to her.
(僕にもっと勇気があれば、彼女にプロポーズするのに。)

これを言った人は勇気があるのでしょうか?ないのでしょうか?
ないですね。ないものを持っていると仮定して話をしています。
つまり事実に反したことを仮定しているわけです。
仮定法はこのように反事実を仮定するための表現です。

このことから仮定法は過去形を用いて事実と距離を取っていることがわかります。

if を使った仮定法

1 仮定法過去(もし〜なら、…だろうに)

仮定法過去は現在の事実の反対の仮定、または未来についての可能性の乏しい想像を表します。
仮定法過去の基本的な形は次の通りです。

If S’ + 動詞の過去形, S + {would, could, might} + 動詞の原形

例文で確認します。

(1) If I had wings, I could fly to you right away.
(もし僕に翼があれば、今すぐ君の元へ飛んで行くのに。)

(2) If I were you, I wouldn’t do such a thing.
(もし私があなたなら、そんなことはしません。)

(2) のように、仮定法過去において be動詞は主語の人称や数によらず were を用いるのが基本です。口語では1人称と3人称の単数には was が用いられることがよくあります。

2 仮定法過去完了(もし〜だったなら、…だったろうに)

仮定法過去完了は過去の事実の反対の仮定・想像を表します。
仮定法過去の基本的な形は次の通りです。

If S’ + 動詞の過去完了形,  S + {would, could, might} + have + 過去分詞

例文で確認します。

・If I had kept my promise at that time, she wouldn’t have dumped me.
(もしあの時僕が約束を守っていたら、彼女は僕を捨てなかっただろう。)

・If you had asked me yesterday, I could have lend you my car.
(昨日僕に聞いてくれてたら、車を貸してあげられたのに。)

3 if節と主節の時制が異なるとき

・If I had listen to him then, I would be happy now.
(もしあの時彼の言うことを聞いていたら、私はいま幸せだったろう。)

if節は過去の事実に反する仮定ですが、主節は現在の事実に反する仮定です。
このように、if節と主節の時制が異なる場合があります。

4 were to, should を用いた表現

(1) If the sun were to rise in the west, she would never say “yes”.
(太陽が西から昇るようなことがあっても、彼女は決して「はい」とは言わないだろう。)

(2) If she should change her mind, I could marry her.
(もし彼女の気が変われば、僕は彼女と結婚できるのに。)

were to, should を用いて未来のことについての過程を表すことができます。
were to を用いた場合、どのくら実現の可能性があるかは文脈によって判断しなければなりません。(1) の実現可能性はゼロですね。
should を用いた場合、「実現の可能性が低い」という話し手の判断を表しています。(2) の話し手は「可能性はゼロではない」と判断しているようですね。なお should は絶対に起こり得ない事柄には使えません。

If のない仮定法

if の省略

if 節の if が省略されることがあります。この場合、倒置が起こります。

Were I you, I wouldn’t say such a thing.
(もし私があなたなら、そんなことは言わない。)

Had she come there, she would have know the truth.
(もし彼女がそこに来ていたら、事実を知ってしまっただろう。)

if の代用

if 節以外でも条件を表すことができます。

(1) with
 With time, I would go to the museum.
(時間があれば、美術館に行くのになあ。)

(2) without / but for
・I wouldn’t have succeeded without your help.
(あなたの助けがなかったら、私は成功しなかっただろう。)
But for love, the world would perish.
(愛がなければ世界は滅びるだろう。)

(3) otherwise
 My wife doesn’t like animals; otherwise I would have a dog.
(私の妻は動物が好きではない。そうでなければ犬を飼うのに。)
 
(4) to 不定詞
 To hear Taro talking, you would think he was a genius.
(太郎が話しているのを聞いたら、あなたは彼が天才のように思えるだろう。)

(5) 主語
 A man of vision wouldn’t dare take such a risk.
(洞察力のある人ならあえてそのような危険を冒さないだろう。)

その他の表現

wish 〜(〜ならいいのになあ)

(1) I wish I were a rock star.
(ロックスターだったらいいのになあ。)

(2) I wish I hadn’t eaten so many hamburgers.
(あんなにたくさんハンバーガーを食べなければよかったなあ。)

as if 〜(まるで〜であるように)

(1) He behaves as if he were somebody.
(彼はまるで自分が大物であるかのように振る舞う。)

(2) My son looked as if he had seen a ghost.
(息子はオバケでも見たような顔色だった。)

If it were not [ had not been ] for 〜(もし〜がなかったら)

 (1) If it were not for hope, the heart would break.
(希望がなかったら胸が張り裂ける。)

(2) If it had not been for meeting him, I would have become a scientist.
(もし彼と出会っていなければ、私は科学者になっていたでしょう。)

It’s time 〜(もう〜してよいころだ)

(1) It’s time you went to bed.
 (もう寝る時間だよ。)

(2) It’s about time you told me the truth.
 (そろそろ本当のことを言ってもいい頃だ。)

* time の前に about をつけると「そろそろ〜する時間だ。」の意味になります。

If only 〜(〜でありさえすれば)

(1) If only I were smarter !
(もっと賢かったらなぁ!)

 

(2) If only I had apologized to her then.
(あの時彼女に謝ってさえいればなぁ)

名言の中の【仮定法】

 If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?
もし今日が私の人生最後の日だとしたら、私は今日やろうとしていることをやりたいだろうか

名言の中の仮定法は仮定法過去です。
if 節の主語が三人称単数ですが were になっていますね。
スティーブ・ジョブズは毎朝自分に問いかけることで、iPhone のサイズを絞り込んだように、自分の行動も絞り込んでいったのでしょうね。

仮定法で表現されたマハトマ・ガンジーの有名な言葉を引用して終わりにします。
最後までお読みくださりありがとうございました。

Live as if you were to die tomorrow.
Learn as if you were to live forever.

明日死ぬかのように生きなさい。
永遠に生きるかのように学びなさい。

マハトマ・ガンジー
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