カポエイラに見る無常観

ブラジルの伝統武術カポエイラをご存知だろうか。

格闘技と音楽、ダンスが融合した総合芸術とも言われる。

源流は諸説あるが、ブラジルがポルトガルの植民地だった時代にアフリカから連れてこられた黒人奴隷の間で生まれたという説がある。奴隷たちは格闘技であるカポエイラを踊りに見せかけて密かに練習したと言われている。

カポエイラはビリンバウやパンデイロなどの楽器で奏でる独特の音楽に乗せて行われる。

わたしは最近この音楽にすっかりハマってしまい家事をする時などはいつも流している。

お気に入りはこれだ。

ポルトガル語の歌詞なので全く意味がわからない。

Google先生に尋ねてみると、

「はい、はい、はい。いいえ、いいえ、いいえ。でも今日には明日はない。」

という回答だった。でもしっくりこない。

検索してみると、

有る、有る、有る。無い、無い、無い。今日は有るけど明日は無い。

ハト🤸‍♂️カポエラ講師

という訳を見つけた。

これは鴨長明の方丈記を彷彿とさせる訳で気に入っている。

アフリカから連れてこられた黒人たちが何を思いながら歌っていたのか。

いつかこんな時代は終わる。自由になれる日が来る。この世の中に変わらないものなんてない。

そんなことを思いながら歌っていたのかもしれない。

ある先生は、

「カポエイラは対話です。」

そうおっしゃっていた。

確かにそうだろうな。

初心の私はまだその域には達していない。

カポエイリスタ(カポエイラをする人)たちはみんな本当に楽しそうだ。

辛く悲しい時代の中で生まれたカポエイラ。

奴隷小屋の中でカポエイラを舞っていた当時の黒人奴隷たちは、

今のカポエイリスタたちを見てどう思うだろうか。

険しい表情をふっと緩め、優しい顔で見てくれるだろうか。

どこか悲しげな雰囲気が漂うカポエイラの歌を聞きながら

時々そんなことを考えている。

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