奥深き食文化

7月から日本語教師としてデビューする。

その準備で今日は授業見学&ちょっとだけティーチングアシスタントのようなこともさせてもらった。

授業の冒頭で30秒の自己紹介タイムをいただいた。

私は山岸浩也です。9月8日生まれです。趣味は武道、武術です。空手、合気道、中国拳法、そしてカポエイラができます。

ペットはフクロモモンガを飼っています…。

映画や読書も大好きなのだが、自分の持ちネタでインパクトがありそうなものを伝えた。

「へぇ〜」とか「おお〜」のような反応はなかったが、興味を持ってくてたような感触はあった。

「私のところではフクロモモンガを食べます。」

台湾から来た留学生が休み時間に私に話しかけてくれた。

「食べます。フクロモモンガ。」

その言葉を聞いても意外なほど私は動揺しなかった。でも驚きではあった。

「そうなんだ!美味しいの?」

「はい、美味しいです。」

そう言って彼は写メを見せてくれた。

それは結構インパクトのある図だった。

一瞬「豚の丸焼き?」と思うような色と形。

おそらく毛と内臓を取り除いて、開いて、天日干しをしているものだと思う。

たくさんの「フクロモモンガの開き」を並べて干してある写真だった。

それは私と彼とのコミュニケーションの一環であり、彼には悪意のかけらもない。

だから私の心にも不快感は一切なかった。

ただ興味が湧いた。

もっと色々知りたかったが、時間がないこと、彼がまだ初級だったことから、話は終わりになった。

あれは小学校5、6年だったろうか。

テレビで海外の街頭インタビューが流れていた。

日本の捕鯨に対してあちらこちらから、なんやかんや言われ始めた頃だったと思う。

ある女の子が、

「鯨は痛いんだよ。頭がいいから殺しちゃダメなんだよ。日本人は野蛮だわ。」

とインタビューに答えていた。

私は子ども心に、

「じゃあ、頭が悪けりゃ殺していいんだね。お前ら牛をめっちゃ食ってるけど、牛はバカなんだね。」

「鯨を食うのは野蛮で、牛を食うのは野蛮じゃないんだね。」

そう思った覚えがある。

捕鯨禁止の理由は、絶滅危惧ということだったはずだ。

でも、あの発言はそういうことではなかった。

あれは「自分たちの文化が上位、日本人の文化は下位で野蛮」そう言っていることとイコールだった。

そこには異文化に対するリスペクトのかけらもない。

じゃあ、そいうあなたはどうなの?

そう。同じく小学生の頃、アマゾンの奥地で暮らす人々が木をほじって芋虫を引きずり出し食べている映像をテレビで見て「うえっ!なんだあいつら」と思っていた。

そんな私には異文化に対するリスペクトは1ミリもなかった。

今の私はどうか。

異文化に対するリスペクト、多様性を受け入れる心の器、そんなものがあるのだろうか。

甚だ心配だ。

それでも私は7月から日本語教師になる。

せっかく日本語を、日本を好きになってくれた彼らに感謝の気持ちを忘れず、

彼らへのリスペクトを忘れず、心して日本語教育の教壇に立とう。

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